バリの軽減

創意工夫集 プチ改善

突然ですが「バリ取り」という加工工程をご存知ですか?
「バリ」とは、金属やプラスチックなどの加工中に発生するギザギザのとげのことです。

このままでは手を切って危ないのでサンダーという機械などを使ってきれいに取り除きます。

バリができる要因はさまざまですが、弊社で写真のようなバリができる原因はめっき槽の中から製品を持ち上げるときに約500度に融解した亜鉛が垂れながら固まるためバリが発生します。「めっきタレ」とも呼ばれます。

屋根に氷柱(つらら)ができる仕組みと同じですね

通常はこのつららを消滅させるために「ふりかけ」と呼ばれる作業を行うのですが、設備を早く痛めてしまいます。
そこで設備にもやさしく、このバリ除去作業をもっと軽減できないか?という改善に取り組みました。その結果、効果を発揮したのが「竹ぼうき」です。

竹ぼうきにたどり着くまでに、シダほうきやステンレス製のほうきも試しましたが、どちらも耐久性や機能性という面で欠点がありました。しかし、竹ぼうきは、めっき槽から引き上げた時にめっきのタレ切り作業を綺麗に行うことができ大幅にバリの発生を抑えられました。

「サンダーがけ」や「やすりがけ」も減ったことから作業環境もさらによくなりました。

しかも、この作業に使用している竹ぼうきは、工場での清掃作業で使い古した竹ぼうきを再利用しているのです。ゴミになるはずの竹ぼうきをリサイクルできて、バリも抑えられるなんて一石二鳥の改善になりました。

ちなみに、試したシダほうきはこんな風に焼けてしまいました…。竹のほうが熱に強いようですね。

経営者より一言

廃棄するはずだったほうきに再び命を注いて活躍させる心遣いはとてもやさしく、今の使い捨て社会に一石を投じる良い改善だったと思います。ほうきもきっとうれしいに違いありません。